« クレイマー、クレイマー | トップページ | 忍法!元気出ろ »

2009年7月22日 (水)

晩春

 大分市の王子神社の夏祭りに行ってきました。この時期は神楽好きの息子にせがまれて、市内各地の祭りに出掛けています。王子神社の祭りは初めてでしたが、なぜか懐かしさを覚えました。大分市指定有形文化財である鋳物の鳥居をくぐると参道の両脇には出店が並んでおり、その風景はまるで映画のセットのようで「これぞ日本の夏祭り」といった雰囲気を演出していました。肝心の神楽では、息子がひょっとこにおびえて泣き出してしまいました。お父さんのそばにいれば大丈夫だから見ようと説得しましたが、帰りたいと言って聞きませんでした。

 泣いたおかげで予定より早く帰宅することができ、二人で風呂に入りました。体を洗ってやっていると息子が神妙な顔つきで「ぼく、結婚せんけん。ずっと、お父さんとおりたい」と言います。それは映画「晩春」の原節子のようでした。

 この1949年の小津安二郎監督作品では、早くに妻を亡くした大学教授(笠智衆)となかなか結婚しない娘(原)の暮らしが描かれています。娘は父親の世話をかいがいしくします。このままではいけないと思う父は結婚を勧めますが、娘は「このままがいいの。ずっとお父さんといたい」と答えます。ぼくは息子の言葉にこの名場面を思い出しました。
「お父さんな、うれしいけどな、お父さんも結婚したんで」
「お母さんとやろ」
「そうで。だけんな、お前もした方がいいよ」
「そんなのいやだ。お父さんといたい」
 泣きながら言うので「分かったよ」と収めましたが、もちろん嫌な気はしませんでした。ただですね、普段から○○ちゃん(よく変わるんです!)が好きとのたまう息子ですからね、期待しないでおこうとは思っています。

|

« クレイマー、クレイマー | トップページ | 忍法!元気出ろ »

親子の日々」カテゴリの記事

映画」カテゴリの記事

コメント

息子さんにとって、カオルさんの存在が今何よりも必要なのでしょうね。うちの娘は5歳ですが、保育園の男児の中に3人も結婚したい人がいるようです(笑)。祭りにも沢山連れて行かれたようで、息子さんが成長されたら、是非高千穂の夜神楽を親子で見に行ってみてください。壮大で神々しい、神秘的な世界に陶酔されることと思います。                      
                      

投稿: Black Tree | 2009年7月25日 (土) 20時17分

Black Treeさん

コメントありがとうございます。
娘さんの意中の人は3人ですか!。非婚・晩婚化のこれからは、それくらい積極的な方がいいですよ。ですけど、映画「晩春」にもありますが、娘を嫁に出す父親の気持ちは複雑ですよね。近い将来にそなえて、今のうちに親子の時間を楽しんでください。

高千穂の夜神楽はぜひ見てみたいと思います。高千穂には独身のころ、延岡から鉄道で行ったことがあります。渓谷にかかる鉄橋が印象的でした。

投稿: 中山カオル | 2009年7月25日 (土) 23時25分

「晩春」は何度も見ています。小津はいいよねぇ。見る度にいい。年を取ってみると、なおいい。

評価はされていませんが、「淑女は~」(題名忘れちゃった)ってもいいですよ。フランス映画みたいな、粋な作品です。

前回、書いた安藤忠雄の講義(ポッドキャスト)のアドレスは以下の通り。itunesで見ることができます。おっしゃるとおり、ガラッパチの声で講義しています。元気が出るので、みてみては?

http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewPodcast?i=48349474&id=300167319

投稿: 久住コウ | 2009年7月29日 (水) 01時48分

久住コウさん

小津の「淑女は何を忘れたか」ですね。小津は大学4年生のときに生誕90周年ということで、渋谷で大規模な回顧上映が行われていました。そのほか、銀座の並木座や早稲田のACTミニシアターで、現存するフィルムはすべて見ました。

安藤講義は早速見てみます。ありがとうございます。

投稿: 中山カオル | 2009年7月29日 (水) 13時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1226197/30657510

この記事へのトラックバック一覧です: 晩春:

« クレイマー、クレイマー | トップページ | 忍法!元気出ろ »