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2009年12月 1日 (火)

息子の涙

 今朝、保育所前で息子を自転車から降ろすと、息子はサンダルを履いていました。保育所はサンダル禁止です。慌ただしく自宅を飛び出したので見逃していました。出社するにはギリギリの時間でしたが、仕方がないので息子を保育所にあずけて自宅まで靴を取りに帰ろうとしました。すると息子が泣いています。「お父さん、ぼくも連れてって。ぼく、恥ずかしい」と。「お父さんな、一人でビューンっち行ってくるけん待っちょきよ」「いやや。お父さん、お願い。ぼくも連れてって」
 泣いているので、担任の先生が「どうしたん?」と話しかけてきました。ぼくが理由を話すと、なぜか先生の目にも涙が浮かんできました。「お父さん、この子な、保育所では絶対に泣かんのよ。やっぱり、お父さんに迷惑をかけたら悪いと思って我慢しちょったんやな」と言いました。そして、「おうちでは泣くんやな。泣くとこを見て、安心したわ」とも。息子は「男は人前で泣いたらいけん」というぼくの言いつけを頑なに守っていたそうです。
 どうやらぼくは妻がいなくなって必要以上に我慢を強いていたようです。それは母親がいなくても、まっすぐに生きていってほしいというぼくの思いからでした。ぼくは泣いている息子に「よし、お父さんと一緒にビューンっち取りに行こう」と言って抱き上げました。そしていつものように「男が人前で泣くな」と頭をなでた後に「でも、泣きたいときもあるわな」と続けました。息子は「ごめんなさい。あんなお父さん、ハンカチ貸して」と笑いました。

 夕方、保育所に迎えに行くと息子は笑顔でした。「みんなにな、何で泣きよったんっち聞かれたけん、靴を間違えたっち教えちゃった」と話してくれました。
 自宅に着いて最初の仕事は洗濯物をたたむことです。息子は「全部ぼくがするけん、お父さんは遊んじょって」と言います。今朝のことを申し訳なく思っているようです。ぼくが手伝おうとすると「せんでいい」と拒否します。「へえ、お前、上手やなあ」とほめると、「お母さんがしよったの、チラッと見よったけん知っちょんのや」と教えてくれました。
 しかし、そこは4歳児。不恰好にたたまれた洗濯物の山が出来上がりました。その山を見ていると涙が出てきました。息子が「どうしたん?」と言うので、「お父さんな、とってもうれしいんや。うれしいときも涙が出るんで」と抱きしめてやりました。すると息子は「ぼくな、料理も手伝っちゃん」と勢いづくのでした。

 もちろん、今日のことは仏さまに報告しました。ぼくたちの子はまっすぐ育っているよ、と。

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コメント

人前で泣くな。
でも逃げ場も必要だね。
「人前で涙を流す大人になるな」じゃダメですか

投稿: K | 2009年12月 3日 (木) 22時42分

Kさん

その通りですね。そもそも子どもに「人前で泣くな」と言っても無理な話で…。
「人前で泣く大人になるな」。その心は「大人になったら泣きたくても泣けないから、今のうちに泣いておけ」ということですかね。

投稿: 中山カオル | 2009年12月 3日 (木) 23時06分

ノンノン。
「涙で同情を誘う(卑劣な)大人には、なるな」とゆーことで。

仕事で失敗したときとかにすぐ泣く人とか見ると殴りたくなる。
でも、そこは頑張って乗り切って、でもトイレとかで涙する人は応援したくなっちゃう。

あ、でもうれし泣きとか、映画見て涙するのは素敵だと思います。

大人だって泣くさ~。

投稿: K | 2009年12月 4日 (金) 17時52分

Kさん

ハハハ、殴りたくなりますか。まあ、大人の社会で泣くのは反則ですよね。
想定されている事例と次元が違うのかもしれませんが、最近では失敗して泣くほど情熱を持って仕事をしていないかも。どちらにしても泣きませんがね。

ぼくは映画を見ている方だと思いますが、映画を見て泣いたことは一度もないです。感動のあまり動けなくなったことはありますが。

涙は本当に流すべきときのためにとっておきたいです。

投稿: 中山カオル | 2009年12月 4日 (金) 23時10分

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