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2010年3月16日 (火)

本当は弱いんです

 一昨晩から熱を出していた息子が、ようやく元気になりました。昨晩は39.4度まで上がり苦しそうでしたので、熱が下がったときは本当にうれしかったです。息子が元気になると、看病で疲れ気味だったぼくも元気が出ました。親とは単純なものです。

 土曜日に会った元同僚に「早寝早起き玄米生活~がんとムスメと、時々、旦那~」というブログを紹介してもらいました。運営者の安武信吾さんは西日本新聞の元記者で、現在は事業局出版部にお勤めです。このブログはがん闘病中の奥様が始めたもので、2008年6月13日を最後に更新が止まりました。そして1か月後の7月12日、安武さんが「安らかに眠りました」と奥様が前日に亡くなられたことを報告しています。奥様は33歳でした。以後、安武さんが引き継ぐ形で当時5歳の娘さんとの二人の暮らしをつづっています。7月20日に次のような一文がありました。勝手にですが引用させていただきます(一部を抜き出して誤解を招くと申し訳ありませんで、7月20日の全文もお読みください)。

  さくらが心配していた、予想が的中しました。
  旦那は、本当に情けないくらい弱っちいのです。

 さくらさんとは奥様のペンネームです。これは、妻が死んだ日から今日までぼくがずっと感じていることでした。ぼくも「安定剤を飲み、酒を飲み」ました。それでも「息苦しくなり。かつて、経験したことのない苦しみが続いて」いましたし、ぼくが弱いからそうなるのだろうと思っていました。ぼくの周囲には強い人が多く、彼らならばぼくのように心が折れないだろうなと考えると余計に情けなくなりました。そして、ぼくは自分の弱さを口にすることが出来ませんでした。理由は分かりません。決して認めたくなかったわけではありません。むしろ大声で叫びたいくらいでした。

 安武さんの一文を読ませてもらって、今さらながら「情けないくらい弱っちいのです」から再出発すべきだったと考えています。安武さんはその後の活動で弱くないことを証明されていますが、ぼくは実際のところ本当に弱い。それも情けないくらいに。それまでのぼくは傲慢で自信家でした。自分の足だけでここまで歩いて来たと思っていました。しかし、その自信は吹けば飛ぶような軽いものでした。だから今日、正直に言います。「ぼくは、本当は弱いんです」と。今のぼくに多くを期待しないでください。ぼくに難しいことを言わないでください。ぼくにこれ以上、背負わせないでください。

 ぼくが敬愛する格闘家の桜庭和志は「プロレスラーは、本当は強いんです」と言ってのけました。対照的ですが、ぼくは「本当は弱いんです」から出直します。そして、少しずつでも強くなりたいと考えています。息子と妻と、時々、自分のために。

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コメント

うんうん、自分が弱い、というとこから始めようよ。
人がどうこうはどうでもいいと思うよ。

投稿: gaiusplinius | 2010年3月17日 (水) 22時33分

自分の弱さを自分で認められることは「強さ」でもあると思います。自分の力のなさに気づいたとき、人から支えられて生かされている自分に気づいて、感謝できるようになると思いますし。僕もかなりの自信家でしたが、自分がいかにもろくて弱いかを自覚するようなことが多くありました。しかしそのおかげで今は周りに対する感謝と敬意の念が自然とわいてきて「弱さを自覚したからこその強さ」みたいなものを感じつつ生活できている気がします。無理して強がらなくてもいいんですよね。

投稿: Black Tree | 2010年3月18日 (木) 10時12分

gaiusplinius先輩

コメントに助けられました。ありがとうございます。
強がっても仕方がないと思っています。実際に弱いのですから。

投稿: 中山カオル | 2010年3月18日 (木) 12時55分

Black Treeさん

コメントに感謝しています。
弱さを自覚したからこその強さ、ですか。ぼくにはまだ、その境地が遠くに感じられます。少しずつですが、そこに向かって歩いて行きたいと思っています。
周囲に対すると感謝と敬意の念は大切ですね。ぼくも常に意識しています。

投稿: 中山カオル | 2010年3月18日 (木) 13時02分

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