2010年3月12日 (金)

想像力

 ぼくは、あなたの気持ちになれません。あなたは、ぼくの心が分からないでしょう。あなたとぼくはそれぞれ別の人格ですので、それは仕方のないことです。ただ、人には想像する力があります。ぼくらは互いのことを知りたいと思うとき、それぞれの想像力のスイッチをオンにします。

 丘の上にある病院の一番奥の部屋から一日中、空に浮かぶ雲を眺めていたあの夏の日以来ずっと考えています。人と人をつなぐもの、それが想像力だと思います。例えば、生まれも育ちも違う二人が出会うとします。互いにまず「この人はどんな人なんだろう」と想像することでしょう。それはあくまでも想像で、本当の人物とは似ても似つかないかもしれません。これまでの環境の違いのために理解できないことがあるかもしれません。それが想像の回数を重ねることによって人物像は修正され、本来の姿が見えてくるに違いありません。その過程で共感が生まれれば友達になり仲間になり、男女ならば恋人同士になるのでしょう。

 ぼくらはすべての人に対して想像力を働かせるわけではありません。他人に対しては徹底的に無関心、もしくは無関心を装うことが多い。ぼくには、目の前に困っている人がいたにもかかわらず見て見ぬふりをした経験が少なくありません。「困っているんだろうな」ということは想像できますが、そこで止まってしまいます。「助けたら喜ぶだろうな」とまでは想像しません。残念ですが、これも仕方のないことだと思います。

 この1年、ぼくと息子は多くの方の想像力に助けてもらいました。思いやりと言った方がいいでしょうか。突然訪れた38歳の男と4歳の子どもの二人だけの暮らしを想像して、「大変でしょう」「がんばって」と声を掛けてくれた職場のみなさん。困っていることに対して適切な助言をくれた友人たち。このブログにコメントをくれるみなさんの存在もありがたく感じています。一方で、想像してもらえると(勝手に)思っていた人に関心を持ってもらえず、落ち込むこともありました。今ならそれは甘えであり他人に期待するほうが間違っていると理解できるのですが、正直なところそのときは恨んだりもしました。

 それでも、とぼくは思います。やはりみなさんの想像力を求めてしまいます。このブログもその気持ちの表れの一つでしょう。同時に、みなさんに対して想像力を使ってきただろうかと自問しています。もらってばかりだったのではないだろうかと。みなさんはそれぞれの立場でがんばっています。しかし、みなさんの状況を想像するには、ぼくの持つ知識や経験では及ばないこともあります。ですので、みなさんの言葉を聞きたいと思っています。その意味を時間をかけて考えてみたい。そして、みなさんと想像力を交換し合えるような関係を築いていきたい。1年が過ぎた今、心からそう願っています。

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2010年1月 1日 (金)

年頭所感

 いつになく静かな年末年始。大晦日には毎年テレビにかじりついて観戦していた格闘技も見ませんでした(録画はしました)。新年は自宅で息子の寝顔を見ながら迎えました。二人だけの正月です。

 このブログ「朝食はフレンチトーストに」を始めて半年が経過しました。息子を寝かせつけた後に30分ほどで書いている記事ですが、毎日一定のアクセスをもらっていて本当にありがたく思っています。文章を読んでもらえれば分かると思いますが、ぼくは頭のいい方ではありません。ブログに書いている記事の多くは「~をしました」「~に行きました」といった小学生の作文のような文章です。主張も論理的裏づけもないまったく意味のない言葉の羅列。
 そんなぼくですが、このブログを始めるにあたって一つ決めたことがあります。それは文章で嘘をつかないということです。この場合の嘘とは、「好きでもないものを好きと言う」といった類のものです。ぼくは大分弁で言うところの「かっこつけしい(気取り屋)」ですので「若いころは無茶苦茶もててさあ」くらいの嘘は平気でつきますが(笑)、こんな嘘は罪がないと思っています。ぼくが忌み嫌うのは「そんなことも知らないの?と言われるのが嫌で知っているふりをする」「共感していないのに、流行っているというだけで支持する」こと。つまり「自分はそう考えていないのに、大勢もしくは権威のある者の評価を無批判に受け入れてしまう」ことです。そんなことをするくらいなら舌を抜いた方がいいとさえ考えています。
 しかし、実際の生活ではそうはいきません。ぼくは職場で知らないことばかりなのですが、さすがに知らないと言えません。ある程度は知ったかぶりをせざるを得ません(もちろん、後で勉強しますが)。また、上役の考えに同意の余地がないにもかかわらず「いいですね」と言ったりしてしまいます。ですので、せめてこのブログの文章だけでも「正直に生きたい」と思いました。プライベートをさらけ出すという意味ではなく、かっこつけの部分も含めて“本当の自分”を表現できればと考えて始めたのがこのブログです。

 とりあえずは1年を目標にブログを続けたいと思っています。そして、そのころには「親子の日々」カテゴリーの記事で本を作りたいと考えています。本を書くのは高校時代からの夢の一つでした。昨年は失うことばかりでしたので、今年は一つくらい夢をかなえたいと思います。今年もどうか、よろしくお願いします。コメントもお待ちしています。

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